就労移行支援・企業実習・定着支援を利用した体験談

障害と健康

はじめに
退職後、心身の健康を保ちながら、できるだけ長く働ける就職先を探したいと考えていました。
そこで、すぐに就職先を決めるのではなく、就労移行支援を利用しながら、自分に合う仕事や職場を探しました。
就労移行支援では、就職活動の準備だけでなく、企業実習を通して仕事内容や職場の雰囲気を確認できました。
その後、障害者雇用で働き始めてからは、就労定着支援も利用しました。
この記事では、就労移行支援を利用した理由や企業実習で確認できたこと、就労定着支援を利用して感じたことを、私の体験をもとに紹介します。
なお、制度の内容や利用条件は変更される場合があるため、利用を検討する際は最新の公式情報もご確認ください。

就労移行支援を利用した理由
1.心身と経済の両面で安定して働きたかった
退職後に次の仕事を探すうえで、私が大切にしたかったのは、心身と経済の両面で安定して働けることでした。
具体的には、次のような職場を希望していました。
・心身の健康を保ちながら働ける
・生活に必要な収入を得られる
・無理なく長期間働ける
・困ったときに周囲へ相談できる
・必要な配慮を受けられる
・休暇や残業などの雇用環境が整っている
自分に合う環境で、できるだけ長く安定して働けることを重視していました。

2.すぐに就職活動を始めなかった理由
退職後、すぐに就職活動を始める方法もありました。
しかし、私の場合は家族の助けがあり、すぐに収入が必要な状況ではありませんでした。
そのため、時間をかけて次の就職先を探すことにしました。
すぐに就職活動を始めなかった理由は、主に次のとおりです。
・家族の助けがあり、経済的に少し余裕があった
・次の就職先をじっくり選びたかった
・一人で障害者雇用の求人を探す方法がよく分からなかった
・就職前に実際の職場を体験したかった
・就労移行支援に安定して通うことで、生活リズムを整えたかった
・安定して通所できていることが、採用担当者の安心材料になるかもしれないと考えた
障害者雇用では、仕事の能力だけでなく、安定して勤務を続けられるかどうかを確認されることもあります。
私の場合、前職でも勤怠自体は比較的安定していたため、週5日勤務やフルタイム勤務が可能かどうかは、それほど大きな不安ではありませんでした。
一方で、就労移行支援に通うことで、採用担当者に「継続して通所できている」「働く準備を続けている」と感じてもらえる可能性はあると思いました。
それが、より自分に合う就職先につながるかもしれないと考えました。

3.一人で障害者雇用を探すことに不安があった
障害者雇用で働きたいと思っていても、どのように求人を探し、どのように応募すればよいのか、当時の私はよく分かっていませんでした。
求人票を見つけたとしても、自分に合う仕事なのか、必要な配慮を受けられるのか、職場の雰囲気はどうなのかを、一人で判断することは難しいと感じました。
就労移行支援であれば、求人の探し方や応募書類、面接について助言を受けられます。
また、企業実習を通じて、実際の仕事を体験できる場合もあります。
一人で就職活動を進めるよりも、相談できる人がいるほうが安心だと思い、就労移行支援を利用することにしました。

就労移行支援には事業所ごとの特色がある
就労移行支援は、どの事業所を利用しても同じ内容を受けられるわけではありません。
事業所によって、力を入れている支援内容が異なります。
たとえば、次のような違いがあります。
・パソコンや事務スキルを重視する
・ビジネスマナーや基礎訓練を重視する
・生活リズムや体調管理を重視する
・企業実習や就職活動を重視する
・障害特性への対応を重視する
・在宅勤務やIT分野の就職を重視する
就労移行支援では、一般企業などへの就職に向けた訓練、求職活動、職場開拓、就職後の定着に向けた支援などが行われています。
ただし、具体的な訓練内容や支援方針は事業所によって異なります。
利用を検討する際は、事業所の公式案内や自治体の情報を確認することが大切です。

いくつかの事業所を見学した
就労移行支援は、見学や体験利用ができる事業所が多くあります。
私は、最初から一つの事業所に決めるのではなく、いくつかの就労移行支援を見学しました。
見学の際には、次のような点を確認しました。
・どのような訓練を行っているか
・支援員に相談しやすそうか
・利用者の雰囲気が自分に合っているか
・企業実習の機会があるか
・どのような就職先を目指しているか
・どのような就職先の実績があるか
・通所を無理なく続けられそうか
・就職後の定着支援があるか
・就職率や定着率はどうか
実際に通ってみると、事業所との相性が悪く、辞める人や、別の就労移行支援へ移る人もいました。
就労移行支援は、しばらくの期間、定期的に通う場所です。
支援内容だけでなく、事業所の雰囲気や支援員との相性も大切だと思います。
そのため、利用を始める前に複数の事業所を見学し、自分に合いそうかを確認してから利用を始めることが大切だと思いました。

私が通った事業所を選んだ理由
私が通った就労移行支援は、基礎的なビジネススキルや仕事に対する考え方を学べる事業所でした。
当時の私は、特別な資格や専門的なスキルを身につけることよりも、安定して働くための基本的な準備をしたいと考えていました。
そのため、次のような内容を学べることに魅力を感じました。
・ビジネスマナー
・仕事に対する基本的な考え方
・他者とのコミュニケーション
・就職活動の進め方
・自分の特性や苦手なことの整理
・必要な配慮の伝え方
・企業実習や面接に向けた準備

就労移行支援に通って感じたこと
1.学習内容は復習に近かった
実際に通い始めてみると、訓練内容はまったく新しい知識というより、これまでに知っていたことの復習に近いものでした。
ビジネスマナーや仕事への向き合い方など、以前の仕事などを通じて知っていた内容も多くありました。
そのため、「新しいことをたくさん学んだ」というよりは、働くうえで必要な基本を改めて確認したという感覚です。
ただ、復習であっても意味がなかったわけではありません。
自分が理解していることと、実際に安定してできることは違います。
就職後に必要になることを確認し、自分の苦手な場面や対策を考える時間になりました。

2.生活リズムを整えることに役立った
就労移行支援には、基本的に平日に通っていました。
仕事を辞めた後は、予定がなければ自宅で過ごす時間が増えます。
そのまま生活リズムが崩れてしまうと、就職活動を始めることも、就職後に安定して働くことも難しくなります。
平日に通所する予定があったことで、朝起きて外出する習慣を維持できました。
就労移行支援で学んだ内容そのものだけでなく、決まった時間に通う生活を続けられたことも、私にとっては大きかったです。

企業実習を利用してよかったこと
1.実際に働いてから判断したかった
私は、自分に合う会社を探すために、入社前に実際に働いてみたいと考えていました。
求人票や面接だけでは、分からないことが多いからです。
たとえば、次のようなことは、実際に働いてみなければ分かりにくいと思います。
・仕事内容が自分に合っているか
・職場の雰囲気はどうか
・上司や周囲に相談しやすいか
・分からないことを質問できるか
・作業内容をメモしてもよいか
・必要な配慮を受けられるか
・通勤や勤務時間による疲れはどの程度か
・残業はどのくらいあるか
・有給休暇を取得しやすいか
・安心して長く働けそうか
私は、実習前にいくつかの不安を持っていました。
自分が仕事をこなせるのか、職場に適応できるか、上司に相談できるのか、質問やメモをすることを許可してもらえるのか、といった不安です。
実習では、仕事の内容だけでなく、職場の人との関わり方や、相談のしやすさも確認したいと思っていました。

2.企業側にも確認してもらえる
企業実習は、私が会社を確認するだけの場ではありません。
企業側も、私がどのように仕事をするのか、職場に合いそうか、必要な配慮は何かを確認できます。
つまり、本人と企業が、お互いを知る機会です。
職場実習は、障害のある本人と企業が相互理解を深め、職業能力や必要な配慮、職場環境などを確認する機会として活用されています。
採用前に実際の職場で確認することで、ミスマッチを減らすことにもつながります。
実際に働いてみて、お互いに「この仕事なら続けられそうか」「この人と一緒に働けそうか」を確認できたことは、とてもよかったです。

3.就労移行支援を経由した実習
私が実習先を探した範囲では、就労移行支援などの支援機関を経由した実習しか受け付けていない企業もありました。
すべての企業や実習制度に当てはまるわけではありません。
ただ、就労移行支援を利用していたことで、実習先の候補を紹介してもらい、企業との調整も支援員に手伝ってもらえました。
一人で企業に連絡して実習を申し込むよりも、就労移行支援を経由することで、実習につながりやすくなったと感じています。

4.実習で雇用環境も確認できた
実習先では、残業が基本的になく、有給休暇もきちんと取得できるなど、雇用環境が守られていました。
仕事による疲れはありましたが、以前の職場と比べると、心身への負担はかなり少なく感じました。
長く働くためには、仕事内容だけでなく、次のような雇用環境も重要だと思います。
・残業が多すぎない
・休暇をきちんと取得できる
・相談できる上司がいる
・必要な配慮を受けられる
・無理のない勤務時間である
・職場全体に一定の理解がある
私は、企業実習を通じて、採用されるかどうかだけでなく、自分がその環境で長く働けそうかを考えることができました。

就労移行支援のメリット
私が就労移行支援を利用してよかったと感じたことは、次のとおりです。
・障害者雇用の探し方を相談できた
・求人や応募について助言を受けられた
・企業実習に参加しやすかった
・生活リズムを整えられた
・自分の特性や必要な配慮を整理できた
・面接や実習の準備ができた
・入社前に職場との相性を確認できた
・就職後の定着支援につなげてもらえた
特に大きかったのは、実際に働く前に企業実習を経験できたことです。
職場の雰囲気や仕事内容を確認できたため、入社後のミスマッチを減らせました。

就労移行支援のデメリット
一方で、就労移行支援にはデメリットもあります。
1.就職までの期間が長くなりやすい
就労移行支援や企業実習を利用すると、すぐに就職活動を始める場合と比べて、就職までの期間が長くなることがあります。
私の場合は、家族の助けがあり、経済的に少し余裕があったため、時間をかけて就職先を探せました。
しかし、すぐに収入が必要な人にとっては、就職までの期間が長くなることは大きな負担だと思います。
就労移行支援を利用するかどうかは、自分の体調や希望だけでなく、生活費や家族の支援なども含めて考える必要があります。

2.事業所との相性がある
就労移行支援は、すべての人に同じように合うわけではありません。
実際に通ってみると、事業所の支援方針や雰囲気が合わずに辞める人もいました。
別の就労移行支援に移る人もいました。
利用を始めてから合わないことに気づく場合もありますが、事前に複数の事業所を見学しておけば、自分に合う場所を選びやすくなると思います。

3.受け身で通うだけでは就職につながりにくい
就労移行支援に通っているだけで、自動的に安定した就職先が見つかるわけではありません。
私が通った事業所では、支援員から助言を受けることはできましたが、最終的には自分で考えて動く必要がありました。
就労移行支援は、就職先をすべて任せる場所ではなく、自分に合う働き方を探すために支援を活用する場所だと感じました。

主体的に動くことが大切だった
私が就労移行支援を利用して感じたのは、主体的に動かなければ、安定した就職にはつながりにくいということです。
具体的には、次のようなことを自分でも考える必要がありました。
・自分の得意なことや苦手なことを把握する
・苦手な状況への対処法を考える
・得意なことの活かし方を考える
・どのような配慮があれば働きやすいか整理する
・実習で確認したいことを考える
・実習の選考に通るための対策をする
・安定して働けそうな実習先を探す
・実習先で自分と企業の相性を確認する
・採用面接に向けた準備をする
・就職後に困ったときの相談方法を考える
・長く働くための対策を自分で考える
支援員に相談しながら進めることはできます。
しかし、自分の特性や希望を一番理解できるのは、自分自身です。
どのような仕事が得意なのか、どのような場面で困るのか、どのような配慮が必要なのかを整理しておくことで、実習先や就職先を選びやすくなります。
就労移行支援は、自分の代わりに就職先を決めてもらう場所ではありません。
自分に合う働き方を考え、そのために必要な支援を受ける場所だと思います。

障害者雇用で働き始めた後の支援
1.就労定着支援を利用した
障害者雇用で働き始めた後も、私は就労定着支援を利用しました。
上司からも、できるだけ長く働いてほしいので、就労定着支援を継続して利用してはどうかと言われました。
私自身は、利用を続ける必要があるのか迷っていました。
それでも、上司の意向もあり、利用できる期間は継続することにしました。
就労定着支援は、就労移行支援などを利用して一般就労した人のうち、就職後の生活面や社会生活上の課題について相談したり、職場や関係機関との連絡調整を受けたりする支援です。

2.仕事の具体的な相談は難しいと感じた
私は仕事で困ったことを就労定着支援で相談しました。
しかし、仕事内容そのものに関する具体的な助言は、定着支援の担当者には難しそうだと感じました。
たとえば、作業の進め方や業務上の判断、人との具体的なやり取りについては、職場の仕事内容をよく知っている上司に相談するほうが解決しやすいことがあります。
就労定着支援は、仕事の専門的な進め方を教えてもらう場所というより、体調や生活面を安定させ、働き続けるための相談先なのだと思います。

3.私にはあまり必要ではなかった部分もある
私の場合、仕事で困ることはありましたが、体調や勤怠は比較的安定していました。
そのため、就労定着支援によって大きく助けられたという実感は、あまりありませんでした。
定着支援が必要かどうかは、その人が何に困っているかによって変わると思います。
体調管理や生活リズム、職場との関係、仕事を続けるうえでの不安などを相談したい人にとっては、助けになる可能性があります。
一方で、私のように体調や勤怠は安定しているものの、仕事内容や仕事の進め方で困っている場合は、定着支援だけでは解決が難しいこともあると感じました。

職場の困りごとは上司に相談した
仕事上の困りごとは、就労定着支援よりも、職場の上司に相談することで解決を目指しました。
障害者雇用の部署だったため、周囲にも障害への理解や助けがありました。
そのため、仕事で困ったことがあっても、ある程度は周囲に相談しながら対応できました。
ただし、何でもすぐに解決できたわけではありません。
定着支援や上司に相談しても、困りごとが解決できずに困った時期もありました。
結局、私は困っていた業務の担当から外れることもありました。
自分の希望どおりに解決したわけではありませんが、無理をして業務を続けるよりも、担当を調整してもらうことで勤務を継続できました。
相談先を変えたり、伝え方を工夫したりしながら、何とか今でも勤務を継続しています。

現在の相談方法
現在は、仕事で困ったことがある場合、上司に相談する前に内容を整理するようにしています。
口頭で説明するだけでは、自分でも何が問題なのか分からなくなることがあるからです。
そこで、相談用のフォーマットを作りました。

項目書く内容
困っていること何が起きているのか
起きた日時いつ起きたのか
発生頻度どのくらいの頻度で起きているのか
仕事への影響業務にどのような影響があるのか
自分で試したことこれまでどのように対処したのか
相談したいこと何について相談したいのか
具体的にしてほしい助力一緒に確認してほしい、対応方法を教えてほしい、相手に説明してほしいなど
助力が必要な時期いつまでに対応や助言がほしいのか

必要に応じて、実際の資料や現物を見てもらうこともあります。
言葉だけで説明するよりも、実際のものを確認してもらったほうが、状況を理解してもらいやすいことがあります。
また、大きな問題になってから相談するのではなく、まずそうだと感じた段階で早めに相談することも意識しています。
自分だけで抱え込むと、問題が大きくなり、解決に時間がかかることがあるからです。

利用料金について
就労移行支援の利用料金は、所得などによって異なります。
私の場合は、少し負担がありました。
利用料のほかに、交通費や昼食代などが必要になる場合もあります。
ただし、具体的な自己負担額や利用条件は、自治体や所得状況によって異なります。
制度の内容や料金は変更されることもあるため、利用を考えている方は、厚生労働省、お住まいの自治体、利用を検討している事業所の公式案内をご確認ください。
この記事では、制度の詳しい説明ではなく、私自身の体験を中心に紹介しています。

おわりに
私にとって就労移行支援は、就職先をすべて任せる場所ではありませんでした。
自分に合う働き方や職場を探すために、支援員の助言や企業実習を活用する場所だったと感じています。
利用してよかったことは、障害者雇用の探し方を相談できたこと、生活リズムを整えられたこと、自分の特性や必要な配慮を整理できたことです。
また、企業実習を通じて、入社前に仕事内容や職場の雰囲気を確認できました。
実際に働いてみることで、自分がその仕事を続けられそうかだけでなく、企業側にも職場との相性や必要な配慮を確認してもらえました。
その結果、入社後のミスマッチを減らせたことは、大きなメリットだったと思います。
一方で、就労移行支援や企業実習を利用すると、就職までの期間が長くなりやすいというデメリットもあります。
事業所との相性が合わない場合もありますし、通っているだけで安定した就職につながるわけではありません。
自分の特性や苦手なこと、必要な配慮を整理し、実習先や就職先を主体的に考えて動くことが大切でした。
支援員に相談しながら進められますが、自分に合う働き方を一番理解できるのは自分自身だからです。
就労移行支援の利用を考える場合は、まず自分がどのように働きたいのかを整理し、そのうえで複数の事業所を見学するとよいと思います。
支援内容だけでなく、事業所の雰囲気や支援員との相性も確認しておくと安心です。
私の場合は、企業実習を通じて、心身の健康を保ちながら長く働けそうな職場かどうかを確認できました。
心身と経済の両面で安定して働き続けるためには、自分に合う支援を選び、支援を受けながら自分でも考えて動くことが重要だと感じています。

キーと申します。
全世界株式への投資を続けながら、のんびりしたFIREを目指しています。
このブログでは、自分に合う制度や環境に素直に頼りながら、安心してのんびり暮らしていくまでの過程を残していきたいと思っています。
同じように、自分らしい暮らしやFIREを目指したい方にとって、少しでも参考になることがあればうれしいです。

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